現在人気のWealthNavi(ウェルスナビ)やTHEO(テオ)といったロボアドバイザーの事を調べていると、ETF(上場投資信託)という言葉が出てきます。
さらに2018年からスタートした積み立てNISAの銘柄には多くのETFが含まれています。
しかしETFとは一体何なのでしょうか。投資初心者にはまったく馴染みのない、「ETF(上場投資信託)」について調べてみました。
ETF(上場投資信託)とは
“Exchange Traded Funds”の略で、金融商品取引所で取引される投資信託の事です。上場投信という略称もよく用いられています。
通常の投資信託と何が違うのか?をまず見てみましょう。
投資信託(ファンド)
投資信託(ファンド)は「投資家から集めたお金をひとつの大きな資金としてまとめ、運用の専門家が株式や債券などに投資・運用し、その運用成果が投資家それぞれの投資額に応じて分配される仕組みの金融商品」です。
投資家が払い込んだ現金を基に設定され、運用会社がそのお金を株式などに投資し運用します。「集めた資金をどのような対象に投資するか」は、運用の専門家が決定します。売り買い毎に運用会社と投資家の間で現金がやり取りされるため、毎回株式などの売買が行われます。
要するに、まずお金を集め、そのお金をまとめて大きな金額にして、それを運用会社がまとめて運用するという形です。ですので、窓口などで投資信託が売り出されているときは、運用開始されていないのです。
個人の投資家のお金がまず先に必要で、それで運用する株などを直接購入することになります。
ETF(上場投資信託)
ETFはまず、指定参加者と呼ばれる投資会社がETFごとに決められた株式を購入したり金銭を集めたりして「現物株式バスケット」を運用会社に渡します。
それに基づき運用会社がETFを設定し発行します。そのETFは証券取引所に上場され、株と同じように投資家が売買する事が出来るようになります。
個人投資家がETFを売り買いした場合、証券取引所を通じて、そのETFを売却した別の投資家に代金が渡されます。その取引の中で、ETFに含まれる株などが直接売買されることはないのです。
ETFというものが大きなバスケット(入れ物)でその中に果物(個別の株)が入っているというイメージです。
その中に含まれる株や債券は、信用取引でなく現物であるため、「現物株式バスケット」と呼ばれます。
要するに、最初にETFの目的に合わせてETFに組み込む銘柄を決めて、まずその株を指定参加者(投資会社)が購入します(運用会社のほうで構成銘柄を決める場合もあります)。それを運用会社に渡すと、その規模に合わせて、運用会社がETFを設定し、何口発行するかを決め、その発行したETFを指定参加者(投資会社)に渡します。
投資信託とは違い、この時点で運用会社により運用は開始されています。
そしてそのETFを今度は証券会社で売り出します。個人投資家などは証券会社でETFを売り買いします。
しかしそれは証券会社と投資家とのやり取りだけで、ETFに含まれている株式などの運用とは切り離されています。
ETFの種類
- 国内ETF:(国内で組成され、東京証券取引所や大阪証券取引所に上場しているETF。全国の証券会社で取引が可能です。)
- 海外ETF:(海外で組成されたもの。多くは海外の取引所で上場しており、特定の証券会社で日本国内でも売買可能)。海外ETFは現地通貨での取引となるので為替リスクの考慮が必要となります。
また、投資対象としては国内株式・債券、海外株式・債券、コモディティ(金、銀、プラチナ、原油、穀物等の先物)、REIT(不動産投資信託)など多岐にわたります。
ETF(上場投資信託)の特徴
次にETFの特徴です。
ETFは特定の商品指数や各国の代表的な指数に連動するように運用を行う投資信託なのですが、株のように取引所に上場しています。そのため投資信託と株の特徴を併せもっています。
大きな特徴として4つが挙げられます。
- 少額で簡単に分散投資が可能
- 保有コストが比較的安い
- 値動きが分かりやすい
- いつでも売買可能
- 分配金がある場合がある
1.少額で簡単に分散投資が可能
投資をするうえで最もリスクが少ないのが、いろいろな銘柄を買う「分散投資」です。しかし個人投資家がそれを一人でやるためにはかなりの資金が必要になります。しかしETFを買えばそれと同じ効果が期待できるのです。
日経平均株価は日本を代表する大手企業225社を対象とした株価の平均を表しています。日経平均のETF(日経平均株価に連動して運用)を購入すると「日経平均に上場している会社全てに投資」するのと同じ効果が得られます。
個別で買うと100株ごとなどの制限がありますが、ETF1口当たりには例えば0.1株ずつ含まれる、とかそういう状態になります。当然、個別に買うより安く、リスクの分散をしつつ投資できるのです。
2.保有コストが比較的安い
ETFには【売買手数料】と、【保有手数料】の2種類の手数料がかかります。
【売買手数料】
上場株を売り買いするのと同じ売買委託手数料です。証券会社ごとに金額には差があります。
【保有手数料】
投資信託と同じように運用・管理などにかかる運営費用です。
ただし、普通の非上場の投資信託に比べ信託報酬が安いと言われ、長期投資に向いていると言われます。
投資信託なら3%程度かかるところ、ETFは0.2%弱のものが増えています。1年で3%程度の運用成績であった場合、投資信託では手数料で利益が吹っ飛ぶ可能性がありますが、ETFであれば確実に残るという強みがあります。
3.値動きが分かりやすい
ETFは指数の動きに連動しますので、値動きがわかりやすいのが特徴です。
また、ウェブサイトなどで構成銘柄やその割合を確認もできますし、上場しているため現時点での市場価格の把握もカンタンです。
4.いつでも売買可能
通常の投資信託ですと、1日の終値で基準価額が算出され、その価格でしか売却できません。
一方、ETFは証券取引所に上場しているため、取引所の取引時間中であれば、いつでも売買が可能です。指値注文や成り行き注文など、株と同じような感覚で1日何度でも取引ができます。(ただし取引ごとに売買委託手数料等がかかります)
5.分配金がある場合がある
ETFは、通常の投資信託と同じように運用で得られた利益の一部を投資家に支払われるものです。「利益」なので所定の税金が差し引かれます。権利確定日にETFの所有者であれば支払われます。
毎月、隔月、四半期ごとなど、ETFによって違いがあります。
ETFのデメリットと注意点
- 上場廃止や繰上償還のリスク
- 市場価格と基準価額のずれ
上場廃止や繰上償還のリスク
不祥事で廃止、人気がないなどの理由で繰り上げ償還など、ETF自体がなくなってしまう危険があります。
廃止の場合は最悪で、たくさんの投資家が「早く株を手放そう」とするため売りが殺到しますから、当然価格は急落します。
繰り上げ償還はその時点での金額が戻ってきますので廃止よりはましですが、運用が止まってしまうため別の何かに投資しなおすなどの対応が必要となります。
マイナーなETFではなくメジャーなETFを選ぶことでリスクを減らす事が出来ます。
リーマンショック後の順調な値上がりが見込まれる時代とはちがい、近年の政治状況などで運用成績が悪化、さらにETFの台頭で運用報酬の引き下げ圧力が強くなり、ファンドの運用が困難になったというのが理由だそうです。
リスクの多寡を確実に予想できるわけはありませんが、時代の流れもありますので、投資信託よりはETF、そしてその中でも人気のあるETFのほうがリスクは少なくなるでしょう。
市場価格と基準価額のずれ
ETFは需給に応じて、発行済み口数が増減する特徴を持っています。
需要が増えると、ETFの基準価格より市場価格の方が高くなります。基準値より高い価格で買った場合は「割高な価格で購入した」状態となります。逆の場合は「割安」となります。株と同じように「割安の時に買えれば」利益が出る可能性が大きくなるのです。
まとめ
個人投資家の味方ETF
今まで見てきたように、ETFは少額から投資を始める個人投資家、特に初心者にお勧めのツールということが分かりました。
ご自分でリスクや含まれている銘柄を判断して買いたいという場合は、証券会社でいくつものETFを取り扱っていますのでそこから買うのがセオリーです。
初心者はロボアドバイザーでETF投資
しかし、「もっと簡単に購入したい」「自分でリスク判断が難しい」という場合は冒頭で述べたように「ロボアドバイザー」を利用するのが今は最も簡単です。
WealthNavi(ウェルスナビ)やTHEO(テオ)では各サービスが厳選したETFをオススメのポートフォリオに従って運用してくれるのです。
自分で購入するのに比べ、手数料が高い(各ロボアドの手数料はだいたい1%程度)というデメリットはあるものの、運用が自動、1日に何度売買することになっても売買手数料は無料で、プロが選んだETFを手軽に購入できます。積立投資も簡単にでき、ポートフォリオのリバランスも自動。投資初心者にはうってつけです。
また、最終的に手数料を低く抑えたいという場合、「小額をロボアドで運用して」大きな額は自分で証券会社で運用するという裏技も考えられます。(ただし手間がかかりますし、正直そこまでできる人はふつうに自分で運用の方が効率がいいと思います。)
現在ETFの市場は急速拡大中。中でも米国は始業規模が最も大きく品ぞろえも充実。米国上場のETFを数銘柄組み合わせるだけで、低コストなグローバル分散投資のポートフォリオの構築が可能となっています。
ロボアドバイザーに興味がある方は是非ご覧ください。
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