狂犬病注射と狂犬病予防注射済票申請方法(猶予証明書含)

皆さんは今年の狂犬病の注射は済ませましたでしょうか。

2020年、今年はコロナ問題で通常の年とは全く違う状況におかれています。我々犬の飼い主が毎年義務付けられている狂犬病の注射についても、今年は集団接種の中止、接種や登録手続きの期間延長など異例の措置が取られています。
スムーズに登録できるよう確認しておきましょう。

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2020年、国内で狂犬病の死者が出ました(海外での咬傷による発症)

2020年6月、愛知県にてフィリピンから来日後に狂犬病を発症した30代外国籍の男性が亡くなったと発表がありました。

2019年9月ごろに犬にかまれたと記事にはあり、2020年5月中旬から足首や腰の痛み、水を怖がるなどの症状が出ていたようです。個人的には噛まれてから発症するまでそんなにかかるのか…!という驚きました。すぐ発症するイメージだったんですよね。厚生労働省の狂犬病についてのページを見ると、人間が発症する場合の潜伏期間は1~3カ月程度とあるのですが、今回は8カ月…。場合によってはそんなにかかるのかという驚き。そして発症してしまうとやはり助からないのか…という複雑な気持ち。
今回はフィリピンでの受傷による発症のため、国内での発生というわけではないのですが、国内で発症、そして治療のかいなく力尽きたということで、人間にしろ動物にしろ、とにかく国内で発生させないようにちゃんと毎年予防接種は受けさせようと再確認しました。

狂犬病接種について

厚生労働省の狂犬病についてのページを見ると、様々な情報が書いてあります。

狂犬病について紹介しています。…

怖いなと思ったのは、「狂犬病とは」の表、治療と予防の欄です。犬に対する治療のところには「治療はしない。」人間に対する治療のところには「発症後の有効な治療法はない。」という、どっちにしても絶望的な記述があるところです。
犬にしろ人間にしろ、かかってしまえばもう終わり。どうすることもできないという事なんですよね。

飼い主さんの中にはワクチンや予防接種はさせたくないという方もいらっしゃいます。そう思う方がいるのは知っていますし、気持ちもわかりますが、健康な犬であれば予防接種は必ず受けておくべきと思っています。私がそう思うのはどちらかというと人間のためではなく、犬のためです。
万が一国内で発症があり、さらに万が一犬は一斉処分ですと言われたとき、「うちの犬は予防接種しているので殺処分の必要がない」と言うためです。
そして、万が一自分の犬が狂犬病を発症して、手の施しようもなくなってしまうのを絶対に避けたいからです。

そんなこと起きるわけない、と思います。しかしどうでしょうか。今回のコロナ騒動、こんなことが起きると思ったことはありません。ウイルスや野生動物は生きていて勝手に動いています。絶対起きない、というのはあり得ないのです。
なので特別な免除・猶予理由がなければきちんと接種はしておきましょう。

狂犬病予防接種の方法

狂犬病接種には2種類の方法があります。集団接種と個別接種です。

2020年の特別措置

※コロナ問題により、2020年は特別措置がとられています。緊急事態宣言による外出自粛要請のため、集団接種が中止された自治体も多いです。通常は毎年1回、4月1日から6月30日の間に受けることが義務づけられていますが、2020年に関しては、7月以降の接種でも大丈夫なよう厚生労働省が準備をしています。
ただし、7月以降に集団接種が開催されるかはわかりませんので、可能であれば動物病院とご相談の上、そちらでの接種をお勧めします。

※接種について心配がある場合も動物病院とご相談ください。
※通常は6月までの接種となっていますが様々な事情で受けられないことはあります。2020年以外で7月以降の接種となった場合でも動物病院で普通に受け付けていますのでご安心ください。

集団接種

お住まいの市区町村に畜犬登録がしてあれば、毎年予防接種の時期になるとお知らせのはがきが届きます。フォーマットは自治体によっても違うと思いますが、うちの市では集団接種の日時と場所の案内、そして問診表がついています。
はがきで案内された集団接種の場所に当日連れて行って接種をしてもらえばOKです。
接種に3000~3500円程度、注射済票(首輪などにつける札)発行手続きに500円程度かかります。

この集団接種でやってしまえばすべての手続きが一度で終わるので大変楽(畜犬登録をしていない場合は、そちらもまとめてできるはず)ですが、予定が合わない、登録をしていないため案内が来ない(ご自分で調べたり、ほかの犬がいるなどで日程がわかる場合は直接行っても大丈夫です。)、怖がりなので集団では無理、など様々な理由で会場に連れていけないという場合があります。その時可能なのが、次の個別接種です。

個別接種

こちらの個別接種は、動物病院に連れて行って接種してもらう方法です。
ワンコを飼う場合は一般的にかかりつけの病院があると思いますのでそちらにお願いすればOKです。

自治体からのはがきが手元にある場合は持参、ない場合(畜犬登録していない場合)はそのまま行ってOKです。
生後2ヶ月未満の場合や、3~5月あたりに飼い始めていて登録がまだな場合、接種をしていいかどうかわからない場合などは病院で相談してください。
特に仔犬は他ワクチンとの接種の兼ね合いがあったり、逆に老犬の場合は健康上の問題で接種できないという場合もあります。どちらの場合もやみくもに打ってしまうとワンコに負担がかかりますので必ず獣医師に相談するようにしましょう。

動物病院で接種した場合は、接種したという証明書がもらえますのでそれをもって役所へいき、注射をしたという届け出をしなければなりません。
多くの場合動物病院が代行してくれます。手数料は取られるかもしれませんが、お願いすると後日自宅へ注射済票が送られてきます。また、畜犬登録をしていない場合も併せて登録が可能です。
動物病院にお願いしないで飼い主さんが行く場合については後述します。

予防接種の証明書と猶予証明書
予防接種の証明書と猶予証明書

予防接種ができない場合

上に挙げたように、狂犬病の予防接種ができない場合が存在します。
生まれたばかりであったり、老犬で健康状態に問題がある場合などです。

集団接種の会場へ行ってしまうと、多分あまり詳しい問診もしてもらえずパパっと接種されてしまうと思いますので、少しでも接種に対する心配がある場合は集団接種ではなく動物病院へ行って相談するようにしてください。

普段から定期的に病院へ行っていると、接種の可否の判断が正確になりますので毎月1回が理想ですが、せめて半年に1回くらいは健康状態を確認に病院へ行っておくとよいでしょう。

うちのミロは、腎臓の機能低下により2019年から予防接種を免除されています。そのように獣医師の判断で接種が免除される場合があります。その場合は「狂犬病予防注射猶予証明書(フォーマットは病院による)」というものが発行されます。

予防接種済票の申請

集団接種に行かず、動物病院で接種した場合、多くの病院で申請の代行をしてくれます。お願いしてしまえば、面倒なことは何もありません。注射済票が届いたら、首輪につけるだけです。
できない場合(代行をしていない・猶予証明など代行できないなど)、頼まなかった場合はご自分で役所へ行って予防注射をした(できなかった)という申請をしなければなりません。

お住まいの地域の市役所や区役所などのサイトで狂犬病についてのページを確認すると、受付窓口の案内がありますので必要書類をもっていきましょう。見つからない場合は電話などで問い合わせをしてから行くとスムーズです。

必要書類

  • 自治体から届いた狂犬病予防接種のお知らせはがき(なければなくてOK)
  • 病院で発行された「狂犬病予防注射済証」
  • 注射不可証明書・猶予証明書など(※予防接種ができなかった場合のみ)

必要なのは上記2つだけです。あとは注射済票の発行手数料(自治体によりますが500円前後)がかかります。
何かしらの理由で注射ができないと判断された場合は、病院からその旨の証明書が発行されるはずですので、そちらをもって行ってください。うちの場合、受付の日付などの確認印が押されてからコピーを取られ、そちらを提出、原本は返されました。

申請したら粗品をもらいました
役所に行って手続きしたら粗品をもらいました
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まとめ

我が家はもともと動物病院で接種してもらっています。何となく集団で流れ作業的にやられてしまうのが嫌だからです。梵がものすごい怖がりなので、多分無理だろうなーという判断もあります。
申請自体もいつも代行してもらっていたのですが、今年なぜか突然猶予証明書は代行できないと言われた(去年はやってもらったんだけどなあ)ので、片方だけやってもらうのも何なので、じゃあ直接役所に持っていくか、となったため慌てて調べていきました。
混んでいなければ手続き自体は5分くらいで終わります。予防注射自体はしてるんだけど、手続きが面倒で行っていないという方や、今年はいつもの年と違ってどうしたらいいのかわからないという方の参考になれば幸いです。