はじめての犬の多頭飼い、実際のところ atポテコ家

 

 

前回の記事で、一般的に言われる多頭飼いの注意点などを書いてみました。
今回は実際我が家がどうだったかというお話です。
理想と現実はだいぶ違うのがよく分かります(笑) そして、理想通りにいかなくとも割と何とかなるということもわかると思います。
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最初のワンコ

ミロは私が一人暮らしを始めてすぐのころに飼ったワンコです。物心ついた時から常に犬がいたので、ものすごく当たり前のように飼いました。当時は勤め人だったのでお留守番が多く本当は良くなかったな、かわいそうだったなーと思います。
ただ、休みごとに友人が来ては構ってくれたので攻撃性がない犬に育ちました。自転車のかごに入れては出かけていたからか、車や大きな音も気にしません。歩くのは嫌いです。カゴやカバンで自動的に移動してもらいたいようです(笑)

男性が嫌いで男性陣が多いときは隠れて全く出てこないけど、女性グループの時はちゃっかり膝の上、と要領も非常に良い(笑)。男性が好きではないといえ家人には全く問題ないですし、社交的!というところまではいきませんが、外で合う分には男性にも愛想良しという外面を使い分ける典型的「内弁慶」のツンデレパピヨンです。
実家にはトイプードルが2匹いて、彼らとは仲良くはなかったけどお互い「スルー」してやりすごす事が出来ていました。

多頭飼いへの道

ポテコが会社を辞め在宅フリーランスとなってからしばらく後、「もう1匹飼いたいなー」となり、主人も後押ししてくれましたので、よし!飼っちゃうかあー。と結構簡単に決断(笑)してしまいました。彼の実家も動物が好きで、子供のころは犬はもちろんヤギやら鶏やらいたらしく、生き物に抵抗がないのも良かった。ということで比較的気軽に2頭目を検討し始めたのでした。

2頭目の犬種選び

希望犬種

ポテコは

  • コーギー
  • スピッツ
  • ポメラニアン
  • チャイニーズクレステッドドッグ
  • シッパーキ
  • パピヨン(2頭目)

主人は

  • ブルテリア
  • フレンチブルドッグ
  • テリア系のどれか

と、かなり性質が違う犬が挙がりました。しつけや管理が大変な犬も入っています。

現実とのすり合わせ

希望は希望で置いておくとして、まず注意しなければいけないのが

  1. 1頭目との相性
  2. 住宅事情の考慮
  3. ライフスタイルと犬種があっていること

の3点です。

1頭目との相性・性別など

まわりから、10歳近くなって新しい犬を飼うのはミロがかわいそう!と言われました。一般的にはあまり高齢になってから2頭目を迎えるのは良くないと言われるのですが、そこはあんまり気にしなかったんですよね。
若い時に比べると、確かにちょっと動きが鈍くなってきたかなーとか、気難しさがものすごいなーとかはありましたが、ほんとにシニアか?!と思うくらい元気だったのです。その時点で具合が悪いとかヨボヨボだったらやめたと思いますが、まだまだいけるだろうという判断でした。
また、実家や親戚に犬もいて、そのコたちに対してものすごくヤキモチを焼く、とか自分のテリトリーを主張して攻撃する、とかあればちょっと考えたんでしょうけど、そういうことが全く無かったのです。外会う犬には興味のかけらもなく、家の中でも完全スルー。まあ犬自体に興味がないと言っていい雰囲気。ということで、飼っちゃえば大丈夫という考えがありました。

ミロはパピヨンで3kg、かなり小型で高齢犬と言って差し支えない年齢になっていましたので、ぶつかったりして怪我をするサイズ・好戦的性格だとまずいということだけ気にしました。
性別は個人的にオス一択。ミロは去勢済みですし、実家のトイプードルもオスですが問題なかったので。
これ、もしミロがオス犬に喧嘩を売るタイプだとダメだったでしょうね。私は今まで実家で犬を飼った経験上、自分ではメスを飼うつもりがないのでその時点で多頭断念です。

住宅事情

マンション規約で10kg以下(抱えられる程度)サイズ、2頭まで。となっていましたので自動的に小型犬となります。

ライフスタイル

休みの日は圧倒的引きこもり。在宅仕事といえどもフルタイムですし、主人はそんなに早く帰宅しない。散歩は1日1回がせいぜいという判断で、運動量が少ないとストレスをためそうな犬種はかわいそうなので却下。
運動量が多い犬種は、運動不足でストレスで問題行動を起こす可能性が高まります。

保護犬の引き取りも視野にいれたものの

保護犬も考えたのですが、ケアに時間を割けないということで断念。また、団体によって違うのでしょうがさらっと見ただけでも面談や家訪問、収入開示、さらに定期的な報告などの条件が付くのが個人的に納得いかず、我が家が色々と条件に当てはまらなそうなので、無理という判断です。
団体からの直接引き渡しでなく、動物病院などが提携して、そこの病院にすでに通っている問題ない飼い主にはそちらから引き渡し可能、とかにしてくれないかなー。団体さんのほうがこちらを信用できないのと同じでこちらも団体さんを信用できないので、プライベートから収入まで開示はちょっとできないです。システム的な改善があるともっと保護犬を引き取りに行く人も増えると思うんだけどなあ。

すり合わせ後のこった犬種

運動量少なめ小型犬、アクティブでなく狩猟系でもなく好戦的でもないということで残ったのは、THE・愛玩犬。そりゃそうだ。

  • スピッツ
  • ポメラニアン
  • チャイニーズクレステッドドッグ
  • パピヨン(2頭目)

主人はブーブー言ってましたが、1頭目ならともかく2頭目以降にテリア系の手間のかかる犬飼えるかー!しかもサイズ大きいわ!ということで犬たちは全然悪くないのですが、我が家の生活だと犬も人間も大変になることが予想されましたので全却下です(笑)

知人のおうちでお休みごとにカヌー乗りにつれて行ってもらっているコーギーちゃんがいますが、アクティブな犬はそういうご家庭向きで、我が家に来たらかわいそうです。
主人の「吠える犬のイメージがあるのは避けたい。パピヨンもう1頭ならほかの犬種がいい」という意見は取り入れ最終的に残ったのが
チャイニーズクレステッドドッグ(長いので以下チャイクレと表記)です。

迎える準備

チャイクレはペットショップにはめったにいないので、ブリーダーさんを探しました。生まれているかどうかもわからないので、飼えるかどうかはほぼタイミングにかかっていました。生まれていなければ予約して待つことになります。
運よく探し始めて割とすぐに、募集をかけているブリーダーさんを見つけたのですぐ連絡し、見学・お迎えに行く約束を取り付けました。

見学までの間に、ざっと必要なものを購入。
子犬用のハウス(サークル)・トイレ・フード・食器を買い足しました。これだけは最初に必ず準備しなければなりません。
移動用キャリーやリードなどは買いませんでした。先住さんのお下がりで最初は十分かも。サイズ的にも実際おうちに来てから買った方がいいですね。

あ、あと、部屋の中での移動を制限するための移動できる柵があると便利です。
来たばかりの時は先住と分けたり、トイレトレーニングのため行ける場所を狭めたりと使えます。
大きくなってからもキッチンや入ってもらいたくない部屋などがあるけれど、扉は閉めたくない!という場合に役立ちます。うちでもいまだにキッチン入口に置いています。

お迎え時の大失敗

車でお迎えに行きましたが、ここで大失敗。
深く考えず、数枚のトイレシートとキャリーバックしか持っていなかったのです。どうせ寝ちゃうだろうし、充分だろうと。これがいけなかった。
もちろん個体差もあるのでしょうが梵の場合は特に臆病だったようで、ブリーダーさん宅から出て、車に乗って、発進!から目の前の角を曲がったところでいきなり『ゲー』
1分くらいしか経ってない。車内大パニックです(笑)
ミロは小さい時からあまり車酔いをしないコだったので想定外だったとはいえ、1分は早すぎだろ!

ですので車でお迎えに行く場合は、
ダンボール(ワンコを入れる。大きいと中で転がって安定しないので小さめ推奨。膝に抱えるのが基本)、捨ててもいいタオルを沢山、トイレシート、赤ちゃんのおしりふき(これ犬の世話に超使えます)、ごみ袋(防水シート替わり)、スーパーのビニール袋などを準備しておくといいと思います。

しかし今考えると、知らない人に連れ去られ、乗ったことない車に乗せられて、あまりの恐怖で吐いちゃったんですね。梵は本当に臆病で、結局酔い止めなしで車に乗れるようになるまで丸1年くらいかかりました。
4か月過ぎからOKな酔い止めを処方してもらって練習しまくったのですが長かった…。今でも車は苦手です。おとなしく座っていることができず、ポテコの膝の上に上がったり、横にぴったりついて立っています。ちょっと座っても曲がったり、ブレーキの時のGがかかると立ち上がってしまいます。
危ないので本当は、設置したクレートに入ってもらいたいんですが、断固拒否、無理に入れると恐怖でパニックになるのであきらめています。
ミロは横で自分のキャリーに入って寝ています、良いコなんだよなー。車が止まるとにょきにょき生えてきて窓の外を眺めます。

対面時も想定外

さてなんとか家にたどり着き、ミロと対面ですが、もうこっちは汚れているし梵もふにゃふにゃだしでとりあえずもうサークルに入れちゃえ!と慣らしも何もあったもんじゃなくミロのいる部屋に連れて行きました。

当然超激怒(笑)

激怒激怒激怒でもう絶叫です。そこまで怒るとは思ってなかったのでちょっと焦りました。
梵が動けばギャン鳴き。梵が鳴いてもギャン鳴き。
ミロのいいところは、そこまで怒っても噛みつきに行ったりはしないことです。距離を取って怒ってるだけ、なのです。
まあそのうち慣れるだろうと思ったんですが、これもそこからが長かった。たっぷり1週間くらい怒ってましたね。
普通親兄弟から離した子犬はさびしくて鳴くんですが、梵が鳴いたかどうかはわからない。なぜかというと夜通しミロが怒ってたので、梵の声がかき消されたから(笑)
ケージの外へミロを出していれば鳴かなかったので、夜はミロをフリーにしてしばらくは人間も一緒にリビングで寝てました。
それまで夜はハウスで就寝でしたが、この時からミロは夜フリーになっています。一度出したら、ハウスに入れると怒るようになったので。出すまで鳴く、サークルの出口を叩きまくる。あきらめません。出るまでは。いやー、頑固じじい!

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その後はずっと順調

暫くしてギャン鳴きミロも落ちつき、不満げな顔をしながらも遠巻きに見守るようになりまして、騒ぎは収束していきました。
子犬は順応が早いのでミロがいることは全然問題ありませんでしたので(むしろ遊んでほしい)、そこからはもう特筆することもなく今に至るまでうまくやっています。

ミロ的にはだいぶ刺激になったようで、ちょっと若返った部分もあります。
エサを24時間出しっぱなし、2日に1度くらい一気に食べてそのあとはまた放置という物凄いムラ食べしていたのですが、それをやると梵に全部食べられてしまうとなって、現在はきちんと1日2回食べるようになりました。ほかにも今まで自分が独り占めしていたものが出来なくなり、言わなくてもやってもらえたことがやってもらえなくなり、積極的にこちらに訴えてくるようになったこともあります。

数年たち、梵が成犬時予想の倍くらいのサイズになってミロを追いかけまわしているのが想定外と言えば想定外ですが、ミロが寝ているベッドに梵がアゴを乗せて寝るくらいにはなりました。ものすごい仲良いわけではないのですが、時たまおもちゃのひっぱりあいをしたりもします。たまーにぎゃんぎゃん言いながら追いかけっこ(主に梵がミロを追い詰める)もしています。

隣に並べてニコニコ笑顔の素敵な写真は未だ撮れませんが、喧嘩もせずやっていけてるので上々です。2頭フリーでもお留守番も問題ナシ!なので、まあ仲良しといってよい状態だと思います。

記事を読んで、なんとなく多頭ライフを想像していただけたでしょうか。
結構軽く考えて2頭目を飼ってしまいましたが、結果的に我が家では多頭化は何とかうまくいきました。
たまにしか会わないとはいえ、実家に別の犬がいたことがよかったのか、何事もスルーが基本のミロの性格のおかげなのか。
やはりカギは先住犬が握っていると思います。

他の犬や子供に攻撃的でないコであれば、多少の時間がかかったとしても最終的には順応してくれると思います。
迷っている方はどっしり構えて思い切って2頭目お迎えしてみてはいかがでしょうか。(飼い主さんがあまり神経質でピリピリしているとそれも悪影響です!)
流血沙汰になりそうな時以外は、ゆっくり時間をかけて慣らしていくことで、割といろいろなことが解決すると思います。焦って無理にやらないことを肝に命じて、慎重にそして大胆に!です。

ここまで読んでくださった皆様が、楽しい多頭ライフを送れますように!